オメガは、宇宙飛行士ウォルター・“ウォリー”・シラーが所有、着用していたオメガ「スピードマスター BA 145.022」が、「RR オークション」にて190万7000ドル(約2億8000万円)で落札されたことを発表した。今回落札されたモデルは、特注の“ナンバード エディション”モデルと呼ばれる1014本のうちの1本。
オークションで落札されたスピードマスター「BA 145.022」。1014本のみ製作された本モデルは、宇宙飛行士だけでなく、リチャード・ニクソン大統領を筆頭とする当時の政治家たちや時計業界の重鎮たちにも贈られた。
宇宙とオメガを結びつけた宇宙飛行士に贈られた特別モデル
今回落札されたシラー氏のスピードマスターは、18Kイエローゴールドのケースにバーガンディのベゼルを備える特別仕様モデルだ。ムーブメントには手巻きのキャリバー861を搭載しており、これは世界初の月面着陸に同行した初代“ムーンウォッチ”が備えるキャリバー321の直系機になる。
また本機は、アポロ11号のミッション成功を記念し製作された特注モデルである。この特注モデルは1969年から73年にかけて1014本のみが製作され、それぞれに限定番号が付けられた。
今回落札されたシラー氏のモデルは限定番号8番のものであり、1969年の晩餐会で宇宙飛行士たちに贈られた限定番号3〜28番のうちの1本にあたる。ちなみに、限定番号1番はリチャード・ニクソン大統領、2番はスピロ・アグニュー副大統領に贈られ、33〜1000番は一般向けに販売された。
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ケースバックにはシラー氏のフルネームと参加したミッションが刻印され、“to mark man’s conquest of space with time, through time, on time(時間とともに、時間を通して、時間通りに達成された人類の宇宙進出を記念して)”というメッセージが彼の功績を讃えている。
また、宇宙飛行士であるシラー氏はオメガと宇宙を結びつけた象徴的な人物でもある。1962年の10月3日、マーキュリー計画のシグマ7号ミッションに参加した同氏は、私物のスピードマスター「CK2998」とともに宇宙に赴いた。この宇宙とオメガウォッチとの邂逅は、のちに続くブランドのクリエーションの出発点となったのである。