ウブロ・ブティック前にサッカー日本代表の大型イラストが登場 手掛けたのは注目のアーティスト・田村大

高級ブランドのブティックなどが立ち並ぶ東京・表参道の街に、突如現れた迫力満点の大型イラストが、道行く人の視線を集めている。「ウブロ表参道ブティック」(東京都渋谷区神宮前5-8-2)前の大階段に描かれたのはサッカー日本代表をモチーフにした作品。制作したのは世界的アーティスト、田村大氏(39)だ。

 サッカーW杯カタール大会のオフィシャルタイムキーパーを務め、サッカー日本代表のアパレルプロバイダーでもあるスイスの高級腕時計ブランド「HUBLOT」は10月29日、日本代表オフィシャルウォッチ「ビッグ・バン e ブルー ヴィクトリー」(公式オンラインショップで先行発売中、11月7日から全国発売。税込み79万2000円)の発売を記念し、表参道ブティック前でPRイベントを開催した。そこでお披露目されたのが、この大型イラスト。森保監督を中心に、雄叫びを上げるDF吉田麻也、DF長友佑都、MF三苫薫、FW久保建英ら選手のプレーシーンが細密に再現されている。

 イベントに出席した田村氏は「イラストという側面からサッカーを盛り上げていければと思っています。ウブロさんの時計は以前から好きで、自分へのご褒美に『ビッグ・バン』を購入したこともあります。いつか一緒に仕事をしたいと思っていたので、夢がかないました」と満面の笑みを浮かべ「一人一人の躍動感、迫力が出せたかなと思います」と作品の出来栄えに胸を張った。階段前で立ち止まり、写真を撮る人の姿も増えてきており、表参道の“新フォトスポット”さながら盛り上がりを見せ始めている。

http://jbbs.shitaraba.net/travel/10877/

 ここ数年で世界的に認知度を高め、NHKなどメディアにも多く取り上げられるなど話題のアーティスト、田村氏は1983年9月10日生まれ、東京都出身。似顔絵制作会社に7年間勤務して商業施設や路上で3万人以上の似顔絵を制作し、その技術の土台を磨いてきた異色の経歴の持ち主だ。2016年に似顔絵の世界大会「ISCAカリカチュア世界大会」で総合優勝を果たした後、2018年に独立。自身がプレー経験を持つバスケットボールを題材にした絵がSNSなどで注目され、NIKEのジョーダンブランドとコラボしたり、ステフィン・カリー、シャキール・オニール、コービー・ブライアント、八村塁らスター選手から高い評価を受けたりと、数々の実績を上げてきた。

 今やバスケにとどまらず、サッカー、野球、テニス、競馬などスポーツ全般に活躍の幅を広げており、インスタグラムのフォロワーは20万人超。米大リーグ、エンゼルスの大谷翔平投手が今季メジャーでベーブ・ルース以来104年ぶりに「同一シーズン2桁勝利&2桁本塁打」を達成した際にはインスタにアップされた記念のイラストが話題に。さらに、自然を題材にした作品を制作するなどスポーツの枠にとどまらないアート作品を発表し、美術界の注目を集める存在にもなっている。
その田村氏は今回、HUBLOTコピーのプロモーションムービーの撮影現場を訪れ、日本代表のメンバーと交流。選手にイラストのモチーフになるポーズや動きをしてもらうなどしてイメージを固め、作品制作に取り掛かった。「撮影に立ち会わせていただいて、いろいろとポーズをお願いしました。吉田麻也選手には、叫んでいるシーンを演じてもらったのですが、『ちょっと恥ずかしい』と言いながらやってくれて、一気にファンになりました」と田村氏。ともにイベントに出席したサッカー元日本代表の前園真聖氏(49)は、作品を目の当たりにし「飛び出してきそうなほどの迫力がありますよね。細かい筋肉の表現とかがすごい」と感心しきりだった。

 田村氏が作品の制作時に最も意識しているのが「ヒーローが必殺技を出すときくらいのエネルギーを表現する」というもの。まさに、その哲学が表れた作品となっており、「表参道という場所に大きな絵を飾っていただいたので、ぜひ多くの方に見てもらいたいと思います」とアピールした。

 11月20日には、いよいよワールドカップ(W杯)カタール大会が開幕。日本は同23日(日本時間午後10時キックオフ)にドイツとの1次リーグ初戦を迎える。日本の冬を熱くするサッカーの盛り上がりとともに、この迫力ある大型作品への視線もより熱くなりそうだ。

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