ボーム&メルシエ「クリフトン」、紳士らしさを底上げするパティナレザーのストラップはいかが?

ウィリアム・ボームがデザインした高級時計にポール・メルシエが独自のデザイン的方向づけを行ったことに始まるボーム&メルシエは、確かな品質とスタイルの探求からなる対話を常に続けてきた。余暇でも勉学にいそしみ、7つの言語を話すこのエレガントな紳士ポール・メルシエは、芸術を愛し社交の才能にも長けた人物だった。彼自身もジェントルマンの典型であり、ジェントルマンのための美しいタイムピースをデザインし、国際的な評価を得るに至る。

 クラシックでモダンな「クリフトン」コレクションは絶妙に計算されたカーブ、完璧なサイズ、気取らない落ち着いた洗練を感じさせるラウンドケースでそのテイストを表現している。控えめで落ち着いた雰囲気、またはカレンダーや月齢のついたコンプリケーションなど、カジュアルなものからシックなスタイルまで、多くのお客様のテイストに対応できる幅広いコレクションとなっている。

ムーブメントは高級な仕上げに包まれている。ブリッジはサーキュラーグレイン仕上げ、地板はサンドブラストとスネイル仕上げ。透かし彫りを入れたローターはスネイルのコート・ド・ジュネーブ装飾で仕上げられ、その様子をサファイアケースバックから見ることができる。
 ボーム&メルシエの全てのウォッチと同様、クリフトンはオブジェのようにデザインされている。ひとつのフォルム、カットから始まり、バランスのとれた構造とプロポーション、テクスチャーとカラーの探求、そして非の打ちどころのないスイスの時計製造のノウハウを駆使して完成する。
 クリフトンコレクションは 1950年代のジェントルマンのエスプリを表現している。当時のメンズファッションはウエストをやや絞ったスーツにウエストからタックを寄せたボトム。靴、帽子、ネクタイなどのアクセサリーはウォッチと同様、細かい気遣いと配慮をもって整えるものだった。このようなきっちりとしたスタイルを尊重する一方、より「カジュアル」でスポーティ、リラックスしたスタイルが登場し、ジェントルマンたちもこのバラエティを歓迎した。当時このようなスタイルを体現した俳優の中にはケーリー・グラントやスティーブ・マクィーンがおり、新しいスタイルの服装を着こなしていた。
 1950年代はボーム&メルシエにとって技術的にもデザイン的にも実りの多い時代だった。戦後すぐにメゾンはデイト、曜日、月を表示する初期のカレンダーウォッチを発売しただけでなく、当時は革新的だった防水ウォッチを発売した。1955年頃はブランドのクロノグラフが成功を収め、デザイン的にも進化したコンプリートなトップレベルのモデルを市場に提供していた。ル・ブラッシュの工場で自社製造するムーブメントをコンプリケーションに搭載していた。コンプリートカレンダー(曜日と月を窓に表示、デイトを針で表示)、ブランド腕時計コピームーンフェイズ、短時間の積算機能を備えたものがそうだ。当時ビジネスマンたちが好んで使った機能に電話の会話時間の測定があった。そのほか、脈拍測定ができるドクターズウォッチも存在した。

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 昨今では、時計業界の黄金時代とも呼ばれる1950年代のヴィンテージテイストを現代風にアレンジしたクリエーションが増えている。クリフトンの随所にもヴィンテージのエスプリが取り入れられている。礼儀正しく、教養があり優れた人格が感じられる。自信をもち、心を開いて寛容に人々との関係を築く、そういうイメージがクリフトンの紳士なのだ。
 滑らかなカーフのストラップのアクセントは同色のオーバーステッチが施される。スタイリッシュな紳士が好む絶妙なパティナの輝きは、魅力的なヴィンテージの雰囲気を色濃く漂わせる。時のうつろいがレザーにもたらす高貴な輝きとニュアンスを見事にとらえたデザイン効果である。

 ボーム&メルシエの「クリフトン ボーマティック」にパティナレザーストラップを組み合わせた例を紹介しよう。エレガントなドレスウォッチがより際立つことだろう。なお、ストラップは腕時計とは別売りであり、価格は2万2550円(税込み)だ。簡単に取り付けることができるため、愛機の雰囲気を変えて楽しむために、1本用意してはいかがだろうか?

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